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ありがとうございます

いつも私たちはなんらかの感情を現し伝えているのですが、 その感情を現す言葉の中でもっとも基本といえるのが 「ありがとうございます」といえるでしょう。 小さい頃、親や大人に、ひとさまから何かをして頂いたら、 「ありがとうございます」を云うようにしつけられてきました。 そして、今や親になった方も、そのように子供にしつけていることでしょう。 ところが、日本の日常の中で、何かをして頂いた行為に、 この言葉を耳にしたことが少ない。 「どうも」という曖昧な返答でおしまいです。 むしろ、外国人の方が「サンキュー」と気軽に感謝を言えるのです。 「お互い様」、「持ちつ持たれつ」の日本独特の関係性が、 やがて、感謝を表す態度や言葉までも曖昧にしてしまったのでしょうか。 それとも、日本人は相手の行為や好意にたいする感謝の度合いが、 薄過ぎるのでしょうか。 現に、この言葉ほど魅力的で威力を発するものはないでしょう。 小さな事でも、お礼の言葉があっただけで、どんなに大きな励みになることか…。 こんな小さい事をしたのに「ありがとう」を云ってくれた。と、 また次もやってあげようという気になります。 当然、時間を掛けて苦労をして尽くした行為には、 その言葉を貰った瞬間に、疲れも飛んでいってしまいます。 逆に、そのたった一言がないために、その行為を無にしてしまった時は、 もうこの優しさは二度と無いかもしれません。 日常使用するメールの中でも、内容に関わらずこの言葉は登場してきます。 それは、時間を割いて返事をして下さった行為への感謝です。 その言葉を待っていた訳ではなく、当然だと思って行った行為にたいしても 頂いた時は、嬉しさ以上に、その方の人間として守るべき作法を感じるのです。 「ありがとうございます」という言葉は、とても不思議です。 人間関係の基礎にあたる言語ですが、なかなか登場してきません。 まるでレモンのように、 身近にあるのに、なんて鮮明で爽やかなのでしょう。 この言葉を求め出会う為に、いつも誰かが見えないところで努力をしている。