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先生の素質

前エッセイでは魅力的な授業づくりについて述べました。 今度は、学生の頃に必要な先生の素質について考えてみます。 番組「わくわく授業」とは少し対象的に、 今回は番組「課外授業 ようこそ先輩」の私の感想から入ります。 こちらは、各界の第一線で活躍する人々が出身校である小学校を訪ね、 専門とする世界をベースに個性的な授業を展開します。 番組の主旨は「魅力的な先生」の答えを出すものではなく、 タイトルのように、あくまで先輩の立場で進行しています。 ただ、生徒がその存在を知らなくても、有名人であるという偏見は、 「この人は凄い人だから、この人の言う事は間違いないだろう」という 授業には必要ない固定概念を導きかねません。 反対に、現場で働く多くの先生には、初めからそのような要素はありません。 「この人のようになりたい」 「いつまでも背中を追いかけたい」 「尊敬したい」存在ではなく、 むしろ「いつも近くにいて何でも話せる親しみを持てる人」 このような先生が、学校の教室には似合うでしょう。 しかし教室の中で、司会進行役を勤める以外に、 もっと大切な要素を背負っています。その例えが次のシーン。 「背の小さい生徒が、背伸びをしても届かない高いところにあるモノに、 そのモノを一生懸命とろうとしています。そこに通りがかった先生が 踏み台になり、その上に生徒が乗り、初めてそれに手がとどいた」 この時、生徒は自分より体重が重い時もあるし、 敬意など無く、土足で自分の背中に乗る場合もあります。 またそこに通りがかった偶然性に何の作為的なものなどありません。 そして、目的を達成できた生徒は、感謝もなくその場から走り去ってゆく。 どのような生徒にも差別無く、常に身近にいて、 何かあれば「生徒の為」だと、体を張る事が出来るー そんな行為が、私にとって先生という根本的な素質を持った人です。 「課外授業 ようこそ先輩」のホームページ http://www.nhk.or.jp/kagaijugyou/

楽しい授業

ときどき見ている番組「わくわく授業~わたしの教え方~」から 今日は、私が求める学校での楽しい授業を、考えてみました。 こちらの番組内容は、全国各地の小学校~高校のある先生の授業づくり。 副題の通り、教え方に重点が置かれているので、 授業に対する考え方や、技術面がフューチャーされています。 数回番組を見た中で、その魅力的な教え方のテクニックには2つ共通点があります。 ひとつは、「授業が参加型のショー」であるという事。 教科書は、一方的で相互作用がなく、あるのは事実やあるひとつの答えだけです。 授業で行う教科書の内容に関し、生徒は初めから興味を持っているとは限りません。 それをいかに楽しくわくわくする授業にするのか? その為には、教科書を一旦閉じ、その変わりに印字された内容を 活き活きとした、動きある要素に変えなければなりません。 楽しい授業には、インタラクティブ性、エンターテイメント性があり、 結末には、やっと答えにたどりつけたという達成感のある感動が待っている… そんなショーには、生徒は誰でも主役になれるでしょう。 ふたつめは、先生は「生徒より先に答えを言わない」という事。 当然、先生はある1つの答えを準備しています。 でも、同じ答えに到達しなくても、違った答えでもいい、 (むしろ答えなど、何だっていいかもしれません) 生徒に考えさせ、それぞれの答えが出るまで一緒に考えます。 それは、「答え」そのものより、そこに到達するまでの「悩み考える」という プロセスの方が、ずっと大切だからです。 結果、生徒たちが出した答えが、先生の答えよりも創造力に富んでいるのは、 その授業が成功しているという証拠です。 このような授業は、実際には少ないかもしれません。 ただ、一方通行のレクチャー形式の授業では、誰もついてはこないし、 何も引き出せないという事は確かのようです。 わくわく授業 公式ホームページ http://www.nhk.or.jp/wakuwaku/