鉛筆削り
娘の色鉛筆を、セッセと削る。使用する本人の前で。 小さい頃は、父が錆びた肥後の守(ナイフ)で鉛筆を削ってくれた。 錆びていたから、削るのにとても時間がかかるが、 いつも恐く淡白な父が、丁寧なことをしてくれるな…と 私は、デッサンを長い間していたため、芯をどうしても長く尖らせてしまう。 長く尖らすから、削るのにとても時間がかかるが、 娘は、折らないように、丁寧に使ってくれているな…と 鉛筆削りは、機械やましてや自動で削りたくない。 便利さや早さを求めるだけでは、 時間をかけてくれた人の優しさに気付くことは、難しいから。