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未来のセラピスト

新たに開設したレッスンのガイドの原稿に追われています。 新レッスンは、アロマキャンドル作りに於ける精油のブレンディング法に特化した内容です。受講生への7つの質問のご回答をもとに、レッスンで使用する精油10種を選び、その日だけのガイドを毎回作成します。そして、実際に選び、選ばれた精油を目の前にし、その分析と私の考察や経験を盛り込み言葉にしていく作業には集中力をもってしても時間がかかります。化学的分析に限界のない精油の存在に、セラピストではない私の実経験を超え、いかに説得力のある言葉に変えられるか、いつもそのようなことを思いながら。 出来る限り書籍も、偏見なく目を通していきたい中で、太田奈月さんの著書『香りの「精油辞典」』に惹かれました。本書には、「アート&サイエンス」と副題にありつつも、他書との特異点は、55種の精油をそれぞれ人間に例え、全精油の各紹介最後の1頁分をこのコラムが占めている点。「この精油は、このような化学成分があるから、この状態や心理の時に合う」が通例の紹介ですが、精油そのものを人間に例え、ユニークなストーリー展開をしているのは、精油をより身近に親しんで欲しいという思いが伝わり、アートやサイエンスという前置きがなくても、信頼のおける良質な内容でした。 フっと、いえ常に思うことですが、将来近い未来に広く深いデータを持つAIが、嗅覚センサーを得る日も近い中で、AIのセラピストも生まれ、やがて一定の需要も出るかもしれません。そのような未来であっても、人間のセラピストが必要と思える点は、目の前にいる方(クライアント)の内面性を感じ、こうなって欲しいという理想などを汲みして、様々な試行錯誤と直感の集大成が、満足のいくセラピーに向かうと感じるからです。 セラピストで学ぶ知識は、嗅覚のメカニズム、精油の構造、化学成分と人体への期待される効果、精油の人体に於ける経路、その適した使用方法、さらに中医学(中国医学)、占星術…とまだまだあるのでしょうか…これらをただ文字として覚え理解するだけではAIに負けるでしょう。 未来のセラピストでは、いかに相手に寄り添い同じ方向を見つめながら、さらにその先を無理せず誘導できるか、それが「突出して」出来る方である上に、知識量や経験量とは全く関係のない「人間力」のある方が、有力になるように感じます。