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花言葉をさがして

最後に小説を読んだのはいつだったか… 久しぶりの、しかも400頁以上の長い小説でしたが、 私がいつもブログをチェックしている彫刻家のレビューを拝読し、 読まずにはいられなくなりました。 「花言葉をさがして」著者ヴァネッサ・ディフェンバーは、 世界中から絶賛されている著者のデビュー作です。 親に捨てられ長く辛い少女時代を生きた主人公が、 愛のある環境に恵まれていくと同時に、 やがて一人の女性として成功していく工程の内容です。 私の今現在の、母親として、大人の女性としての立場ではなく 小さい頃(小学生から高校生頃)の私自身の心境に戻って (いえ、私は「戻る」というよりは、未だ10代のままかもしれません) 共感しながら読むことが出来ました。 人間には言葉にならない言語が無限にあり、行動も然りです。 必ずしも、常に思い感じたままを、言葉や行動に表すとも限りません。 言葉や行動の背後に隠された心理を、受け手聞き手は、 「本当の気持ちは?」と、すくい取るように感じとる姿勢を忘れたくない。 特に十代の思春期に於いては、実体験に基づく言語が乏しい故に 確証もなければ自信も無い。 その歯がゆい状態を上手く言葉に形容し、SOSを出すことが難しく感じます。 主人公は幸い、心のよりどころ(花)が見つけられました。 そして、その花言葉に気持ちを託した主人公の周りには、 寛容さと受け入れる真摯な姿勢がありました。 その後、花と深く関わる職業につき、彼女の人生は、大きく変わります。 花の良さを教えたのも、愛を与えたのも、結局は人間からでした。 私は、鈍感な人間にだけはなりたくありません。 何事にも何者にも、真摯で愛のある人でいたい、そう思えた本でした。