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取り扱いカードから見えてくるもの

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夏の間、炎の猛実験をしてから、今になりその成果を次の教室で伝える時がきました。晴れて作品として形になり、そして教室の最後に渡します取り扱いカードの作業も終えて。 実験の目的は、当初多くを望まない純粋で最小限のものですが、納得のいく結論へ辿り着くための試行錯誤で、前後左右と想像以上に枝葉に分かれた実験になることは、常にあることです。実験している期間は、観察から離れたトイレやシャワーを浴びている時も、「なぜ」や「いかに」を自問自答しながら、次への実験条件を考えます。 実験で心がけていることは、常に最後の実験だけを意識せず、時折、今までの実験を全て総復習すること。膨大な量の実験になればなるほど、道すがらの私自身の思考を振り返ることが、案外結論が早まることが多くある、という経験も積みました。僅かな差による繰り返しの実験の中で、最終的にどうするのか?の結論は、結局、感性によるもので「根拠のある感覚」です。 私の実験そのものの目標は、「最小限の時間とシンプルな材料で、最大の結論を、楽しみながら得る」こと。努力や忍耐力を試す場ではない…そのように意識しないと、ひとりで何十年と実験は続けられないかもしれません。 試行錯誤の末に、漸くひとつの作品(炎)を生みだした作者は、その全てを知っています。その作品の性格と扱い方や楽しみ方を知るのは、作者の右に出るものはいない。そう願っています。そのため、もし作品が作者から離れる時は必ず、知りうる限りの全てまとめて、取り扱いカードに記し添えます。取り扱いカードは、作品の奥に隠された「ものづくりへの姿勢」が読み取れるものです。