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最後の仕事

2,3年前(から)のことでしょうか…、 離れて暮らす、仕事を止めて1日中退屈をしている父に、 自分自身のことを書くように勧めました。 最初に伝えましたのは、 母からの電話で父が病気になったことを知った時です。 自伝でも自叙伝でもなく、今迄生きてきた中で 「最も大切にしてきたこと」を綴ること、を。 父は昭和6年生まれです。 時代背景と自分自身の状況を思い出しながら、 感じたこと、考えたこと、大切にしてきた想いの書は、 世界でひとつしかありませんから、そのものが貴重です。 文字という限られた表現要素を並べながら、 自分の人生を振り返ることも、一定の納得が得られ、 自分自身にとっても、その作業は重要ではないでしょうか。 その後も2,3回は実家へ帰省するたびにペンを取るように 勧めましたが、少しずつ病気は進行して… その後、父は本当に書いてくれたのだろうか…と、 確認することさえ、もうしなくなりました。 しかし、私自身は文字としての記録を残すことを すっかり止めていたことに気付き、 暫く休んでいたブログをまた綴ろうと思いました。 自分自身のために。