出会いについて

私はこの職業に就いて、3つの役割(作家/オンラインショップ運営/教室の講師)を
持つ事もあり、様々な方々と出会う機会が増えてきました。

会社の中の1社員としてではなくて、はじめから私という等身大目がけての
出会いの中で、私流の相手に求めるコミュニケーションが分かってきました。

その方を「知る」(=理解する)手段が、過去の経歴でも現在の「位置」でもなく、
「物の見方」や「考え方」に重点をおいているという事です。

年齢は?どこで生まれ、最終学歴はどこか?どの会社?資格は?
などはあまり重要ではありません。
それらは、いずれもなにかに依存していた(いる)状態の貴方であって、
貴方そのものではないからです。

このように「なに?なぜ?」という過去や固有名詞などに対する興味や疑問は
物理学の公式を理解しようとする生徒のように見えます。
人間は当然ながら考えたり感じたりする存在ですから、
「知る」のではなくむしろ「感じ、理解する」へ変えたい。

手にとって触れたり、目で見えるものなら簡単です。でもあえてそれは避けよう…
実はそれらは理解する上で障害物になります。
難しいからこそ、時間という物理的な存在を忘れて楽しい一時を味わえる…。
さてそんな出会いとは?例えば…

あるバーのカウンターで、たまたま偶然出会うもの同士が
楽しく充実したお話をします。
お互いに名前も職業も明かさぬまま、それぞれの未来の夢を語り合います。
そして、次に逢う約束もしないで別れる。
この時、携帯電話やメールアドレスを聞くことも名刺交換をする必要もありません。
また次に会えるかどうかという楽しみを残す別れ方です。

生真面目で儀式的な日本人には難しいでしょうが、このような観念を越えた
ミニマムなコミュニケーションが、仕事上で出会った相手にもあっていいと思うのです。

相手の名前や会社名を知ってしまった以上は、これ以上障害物を増やさない形で。
ひとりの人間、あるどこかの人間として。

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