パッケージづくり

今日から実施するレッスン第三回「ハニーフラワー」のケースの
作業風景を載せます。
完成した作品から「作業上の行為は見えないように、分からないように」
制作中は心がけていますが、時にはプロセスも伝えましょう。

毎回、教室で完成した受講生の作品は、
私にとっても、お金にはかえられない貴重な存在です。
その作品のラストを飾るラッピングには、
作品を守り保護することを大前提に、多くの要素と想いが込められています。
今回のケースには、蜜蝋100%を使用した
和菓子風のフォルムと花を併せ持つデザインのキャンドルを入れます。

キャンドルのパッケージ


1試作ごと、見本作品を中に入れて内側スペースの空間を確認します。
どのような作品も、その作品のためだけに作られたケースになるように。
ケースの展開図は、イラストレーターで作成します。
私が最初にパソコンで使用したアプリケーション、
最も親しんでいる頼もしいツールです。

完成した状態をイメージしながら、平面のパスを触る間が、
もっとも想像力が試される時です。

ケースの外側だけではなく、内側も意識が問われます。
誰も見ないでしょうし、気にも止めないエリアであっても、
表現の一部であることに変わりません。
ここでは過剰な表現は避け、無駄のない美しさを目標にします。

キャンドルのパッケージ

手前にある閉じた箱は、側面部分のカーブの角度が鈍く悪い。
受講生が生み出すあらゆる作品のサイズやデザインに対応するため、
一旦、底面を広げたのです。
しかし、デザイン性と機能性との折り合いで、
再び黒い線まで、鋭角に修正することにしました。
美しいラインの追求をあくまで優先しながら、
最終的には、7つの試作と失敗作3つで決着がつきました。
私としては、早い方ですが、
経験値による積み重ねの上で、初めて決定的な完成品に出会えます。

あ、いえ、これは完成ではありません。
受講生たちの作品が、
このケースに気持ち良さそうに入った瞬間が、本当の完成です。

Atelier PearlRoseのキャンドルレッスン

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