母の手作りの服

昨日届いた母親の手作りの服を改めて着てみる。
今年のお正月に実家に帰省し、
2時間かけてじっくりとパターンの打ち合わせをしたジャケットです。

私のリクエストは、
肩が隠れる程の大きな襟と、可能な限り大きいボタンを付けること。
いつも私なりの希望を出しますが、
作り手にとっては、不可能な案も多い。
届く服は、母なりの常識と現実性の範囲に収まって仕上がります。
着てみると、肩に乗る襟のラインから脇、身頃のラインが
緩やかな曲線で繋がり、美しい。
襟周りも、鎖骨まで縦にすっきりとあき、首が細く長く見えます。

制作中、併せる本人(私や娘)が傍に居ないので、
確認出来ないのが難しくさせる要因だと言う。
パターン(型)作りは、とにかく神経を使い、
裁断は緊張し、縫製では慎重に行い、
完成後も私からの感想を聞くまでは不安だと言う。
ですから、届いた時は、直ぐに電話をして感想を伝えます。

そしていつも届く服には、ボタンがついていません。
(昨日届いた服は、第一ボタンだけ参考としてついていました)
ボタンによって服の方向性が大きく決定づけられます。
そのボタンの選定と縫製は私が行い、本当の完成になります。
その最後の完成形を母はまだ知りません。

そのため、私も娘も、ボタンを付けた完成服を着て帰省します。
母にとって服作りは、この日が最も待ち望んだ楽しい日であり、
本当の完成日になるのでしょう。

母の手作りの服

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