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個性の重要性について

すっかりご無沙汰しています、笹本道子です。 現在は、育児をしつつ、アトリエでの教室開催を中心に活動しています。 平行して、アトリエ&ギャラリー付きの住居建設も進めており、 これらのイベントで、充実した日々をおくっています。 さて、ずっとかねてから思っていました事柄、「個性」についてを 1年半ぶりにブログ更新します。 昨年の晩秋頃、ある短いテレビ番組の出演依頼があり、 その時に印象に残る質問を受けました。 結局取材は、番組内容にお互いの意見がまとまらず、破談にはなりましたが、 その質問だけが私の中で宙に浮いた状態でした。 ですから、その質問の答えをこちらでまとめます。 「多くのキャンドル作家がいる中で、笹本さんの個性は何だと思いますか?」。 このような質問を受けるというのは、 さぞ、その方にとって私は分かりづらい存在だったでしょう。 私は今日まで、何を軸にして創作活動&教室運営をしていたかを考えると、 与えられた課題にいつも(世に出ていない)他には無い 「より新しい、より美しい、より質の高い、より高い技術」というように 『より良いもの』を求めてアウトプットしてきました。 そして、仕事上の行程の中で、 クライアントの求められている事柄やイメージをカウンセリングしながら、 クライアントのイメージ(教室では受講生の)または期待以上の 未知の部分をいかに表現するかが、私に課せられた付加価値の値がつく スタートラインになると感じ、活動をしています。 このような考えをもとに、私の活動を10年程度続けて振り返ると、 制作の行程に「私のやり方」や好きな技法、 または趣向や個性を意識した事が無い(重要では無い)事に気づきました。 思い返せば、私が美術を志した頃にとても好きでした ルドルフ・シュタイナー、ワリシー・カンディンスキー、ヨーゼフ・ボイス… その偉大な芸術家の言葉の数々には、 「私の趣味は…」「私にとって…」「私の好きな…」などという 個人的な範疇で物事を考えたり、自己を守るような言葉はなく、 いつも社会に向けて、より自由で、より良いものを広げ伝えたい と願う事柄ばかりです。 私はその方々には足下にも及びませんが、せめてその姿勢だけでも…と いつもそれを念頭に活動しています。 そして、これが私の個性だと答えたいと思います。

家族

お久しぶりです、笹本道子です。 昨年12月25日に、無事に2900gの女の子を出産いたしました。 ようやく会えた娘には、智慧のある人になって欲しい… その願いを込めて「万智」(まち)と名付けました。 娘が生まれた時のオギャーという声が、どんなに待ち遠しかったことか。 そのうち「ア~」「ウ~」「ハ~」「ヴ~」などと言うようになり、 その度に、顔を近づけて、何を伝えたいのか聞きかえします。 言葉が分からなくても、目を見て話かけ、歌を歌い、 そのうち、最初にどんな言葉を発するのか、 その感動的な瞬間を楽しみにしながら…。 しかし考えてみますと、この時の言葉はとても重要視されるのですが、 やがて成長し、家族の中で話をしなくなるのはなぜでしょうか。 日本の古い考えで 「こどもは自分のもの、家族とは一心同体であるもの」という家族観が まだ依然としてあり、なかなか個人を尊重する会話になりません。 また母親の「私はこうだから、あなたもそうしなさい」という口癖… この限定し束縛した態度が、人格を無視し個性が伸びなくなるのでしょう。 家族とは何かと問われれば、個性を持った人格の集まりだと答えたい。 私は今、娘の事を最も理解している人間ですが、この先も変わらず、 いつまでも理解してあげられる母親でいたいと思います。

職人について

クリスマスも近づき、待ちわびていました存在のうち、 まずは一つ目、インテリアが我が家に到着しました。 今迄プライベートで使用していたあらゆるインテリアは、 機能性やシンプルなデザインを重視した「大人」向けのもの… これから子供が産まれるにあたり、新しい生命が育つ環境としては、 それだけの要素では不十分でした。 耐久性、安全性などの面も大切になってきましたので、 まずは収納が不十分になったワードローブとハイチェストを 買い替える事にしました。 そこで現在使用中の5年程前に購入したローチェストにあわせて、 同シリーズのもので揃えたいと思いましたが、 購入したショップでは、もう既に販売を終了… 結局、製造元の家具メーカーである「中島製作所」を紹介して頂き、 直接発注依頼をする事になったのが、今から2ヶ月前になります。 発注にあたり、希望のものが明確にありましたが、 既存の原型から、どこ迄こちらの要望に近づけて頂けるのかが重要でした。 中島さんと電話やメールでのやりとりから、対応に柔軟性を感じた私は、 イラストレーターで作成した完成デザインを、pdfファイルで添付し サイズ変更だけではなく、機能の追加もし、ほぼオリジナルオーダーに 近い形で製作して頂く事になりました。 さらに、納品希望日1週間前には見本板が到着しましたが、 5年前に購入した少し日焼けして色あせたチェストの色合いにまで あわせて頂きました。 そして完成した家具はイメージ以上のものになりました。 私にとっての良い職人の要素とはなにかと考えると、 「発注者への誠実さ」、「それに対応出来る技量」、 「現状に決して満足しない、追求精神」でしょうか。 この3つのトライアングルの関係の中で、 大切にしたいのは、後者の未来に繋がる「追求精神」ですが、 最もなおざりにされる要素でもあります。 私は木の材質はほとんど知識や経験もない為、専門に特化した者だけが分かる その美しさや洗練さなどの感性は、持ち合わせていません。 そんな発注者からの依頼は、きっと職人にとっては、感性を刺激するものや 未来に繋がる開発要素は少ないでしょう。 しかし中島さんへ発注し、またブログで拝見しても、 「発注者への誠実さ」が根底にあり、 その上に、素材との格闘、仕事以外でも家具が頭から離れない様子や、 自らの手から巣立った家具の行方を気にしている姿勢な...

スタッフに関して

今回は、新しい私のスタッフをご紹介したいと思います。 彼女は、今年2月から開始した私の工房レッスンの受講生で これからスタッフとしての関係も持つ方です。 彼女の夢は、キャンドルアーティスト…私との出会いはそれがきっかけです。 これから沢山のものを自身の手で生み出したい彼女は、 キャンドルにまつわるテクニックやその趣向を学んでゆくでしょう… ただ、私が引き出したいのは、彼女が作り出す何かよりもまずは、 内在する個性をいかに引き出すか… それが、最も彼女にとって心地よく持続可能出来る表現だと感じます。 現在では、経験の差はありますがキャンドルアーティストが多くいます。 中には、各自が憧れるアーティストの作風や作品、生き様までも 模倣する方や、模倣をそのまま公の場に発表する方もみかけます。 このような、その場限りのエスケープでは、観る側に偽りを与えますし、 本人がその仕事に対して、真の達成感を得ることは難しいでしょう。 アーティストという職業に、もし資格があるのでしたら、まずは自身に 正直であることが、(皮肉にも…強制的に)必須になるでしょう。 私はこれから出産そして育児の為に、今後はますますスタッフが必要に なります。今迄お手伝い頂いている方は、アーティスト志望に関わりなく、 教室で出会った、立場を越えた親しい友人の関係です。 そのように何でも正直になれる関係で、お互いの差異の確認作業から 交流を深め、より楽しく新しい表現に繋げられるのなら、 こんな充実したことはないでしょう。 これから彼女とは、そのようなワクワクした楽しみを持ちながら、 そして、これから出会いうるスタッフも含め、 輪が大きく広がって行ければと願っています。 現在、彼女の初個展が開催されていますので、どうぞお立ち寄り下さい。 ------------------------------------------------------------ 河野晴子 個展 光の夢「NOBUKO KONO CANDLE」展 日時: 2007.12.2(sun)~8(sat) 13:00_19:00 会場:ギャラリートウキョウジョー 東京都世田谷区北沢京下北沢南ビル3F tel 03-3418-4007 期間中、ワークショップの開催を予定、 詳細、ご予約に関しましてはギャラリートウキョウジョーまで ----------...

えほん

先日の旅行先で「えほんミュージアム清里」へ行きました。 今回は観光はしないつもりでしたが、 念のためホテル付近のイベントを調べていましたら、 一枚の絵が目に止まりました。 この絵は、マージェリィ・W・ビアンコ作「ビロードのうさぎ」の挿絵 (表紙)でした。本の内容も知らず、ただこの絵をどこかのサイトで 見かけた最初の印象では、画面中心にいるうさぎの背後には、 説明的な要素があり深い物語性は感じたものの、 1枚の作品としては完結出来ず、伝えたい何かがおぼろげでした。 ただ、全体的に黒を下地にした描き方がしっかり構築され、 画面四隅まで責任を持った緊張感あるデッサン力は 見ていて最低限の安心と信頼がよせられます。 描いた方は、酒井駒子さん。経歴をみると、 やはり…、油絵科を専攻されていました。 私も画家を目指し油絵を学んでいましたので、 実際に原画を拝見し、擦れた部分や厚塗りの箇所などの ディティールを表現した筆さばきを見た時は、 久しぶりに絵筆を執りたくなりました。 こちらのミュージアムでは、入館料に喫茶代が含まれており、 最後にハーブを頂きながら、酒井さんが描かれた多くの絵本を 読ませて頂きました。 中でも最も夢があり創造性を強く感じたのは、「ビロードのうさぎ」でした。 私は、無事に娘が生まれましたら、いつかこの本を読んであげたいと思います。 「えほんミュージアム清里」公式サイト http://www.ehonmuseum-kiyosato.co.jp/

ホテル・リゾナーレ

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10月末に山梨県・小淵沢にありますリゾナーレに 2泊3日の休息をしてきました。 現在私は妊娠9ヶ月で、小旅行も控えた方が良い状態でしたが、 今迄仕事上の時間調整が難しく、念願叶って宿泊出来たホテルでした。 リゾナーレとは、イタリア語で響き合う、共鳴しあうという意味。 八ヶ岳の森の中に溶け込む一つの町として、 建築家マリオ・ベリーニが築いた理想郷です。 まずホテルへ着き、客室の窓を開ければ、 様々な緑を始め、赤や黄色が混じり合い、 その後景にはくっきりと富士山がそびえだっていました。 様々な色彩から、遠く眺めても自然というひと括りの認識ではなく 個々の生命としての存在がみえてきます。 ホテル内には、都心では考えられない程の大きなプールがあります。 波のあるプール、沢山のボールが浮かんだ子供用プール、 ジャクジー付き温泉(露天)プールなど幾つか分けられ、 夜は、水面の自然な青色が空間に広がり、高い天井の面には、 水中にあるライトからランダムな光模様が反射して踊っていました。 ホテル別館には露天風呂もあります。 白を基調にした洗い場には、深鮮な赤、青、黄色のシャンプー、リンス、 ボディソープ入りのボトルカラーが印象的です。 丸い形状の屋外ジャグジーは、背の高い真っすぐな木々に囲まれており、 その先端をたどると、無数の星と月が見え隠れしました。 ショップの中には、アート、ファッション、ライフスタイルなどの新刊を 収蔵したカフェ&ブックストアがあり、店内にある座り心地の良いソファで、 じっくり読書に耽る事も出来ます。 高級なホテルに飽きた方にお勧めしたいホテル <リゾナーレ公式サイト> http://www.risonare.com/ 客室からの1フレーム タイトルは、「夕方の薄いピンク色に包まれた富士山」。 石畳の回廊ピーマン通り 左右にはギャラリー&セレクトショップが並ぶ。 まだ誰もいない早朝の室内プール これからえほんミュージアム清里に向う、タクシー待ちの私

「真実」について(3)

続きもののエッセイです。 初めてお読み頂く方は(1)から読んで下されば幸いです。 では、「芸術(表現)上の真実」の答えは、以下の通りになります。 ------------------------------------------------------------------------- タイトル:「Portrait」 発表時期:1994年12月 素材:鏡 絵画用額縁(ゴールド)10F号  設定:平面作品 天井からの吊り下げ ------------------------------------------------------------------------- コンセプト---- 絶対的な真実はない、という事が真実です。 それぞれの持っている真実はみな違うばかりか、 その人自身のもっている真実さえも、流れと共にかわってくるものです。 ある芸術作品を観た時、観る側それぞれが違った感想が出てきますが、 それらはみな真実であって、自然な状態です。 言い換えると、この世の中には主観のみがあり、 客観は存在してはいないという事です。 現実は主観が入り交じり、交差しあった混沌とした状態であり、 それがもともとの自然な状態だと感じます。 どんなに知識を詰め込んでも、伝説的偉業を成し遂げ、 また発見、表現してもそれはひとつの想念という事になるでしょう。 これはどのような学問の分野に於いても、 最終的な決断はその人の感覚という事になります。 当然のことながら、私がこちらで断定して述べている事も、 私の(過去に感じた)ひとつの主観でしかありません。 これを読む方は、自由に解釈し、批判し、受け取って頂いていいのです。 常にそれらの変化に、出来るだけ忠実に再現出来る素材が鏡だったのです。 残念ながら作品に使用した鏡を含め、現在の一般的に使用されている鏡は 左右反対に映ってしまいますので、 完璧にコンセプトを反映した作品にはなれませんでした。 ただ、その作品(鏡)は、観る相手、展示される場所、時間に対して 出来るだけ対応しようとするもので、 これ以上の無い真実に近づこうとした結果です。 結果 ---- 発表した設定は、10人程度の彫刻家や画家、陶芸家など 若い芸術家からなるグループ展。 知人の誘いをきっかけに、既にコンセプトがまとまっていた私は、 業者に発注をし、一度も私の手...